シミの無い肌を目指すためには、まずシミについて勉強する必要があります。
メラニンが原因ということはすでにご存知だと思いますが、メラニンがどこで作られてどう働くのか、それがなぜ肌に残ってしまうのかをおさらいしてみましょう。
基底層で作られる防御物質
私たちの表皮はとても薄い層で出来ています。
厚さはわずか0.1mm~0.3mmほどしかありませんから、キッチンラップよりも薄くデリケートなもので私たちは包まれているわけですね。
その中が更に4層に分かれ、シミはそうしたごく薄い層の中で発生します。
表皮は表皮細胞や色素細胞から成っていますが、色素細胞のことをメラノサイトと言い、4層の中で一番奥にある基底層でメラニンを生成しています。
メラノサイトは刺激を受けることでメラニンという色素を作り出しますが、これは大変重要な役割を持っています。特に敏感に反応するのが紫外線で、肌に紫外線があたるとメラノサイトは即座にメラニンの生成を始めます。
理由は、細胞の核にあるDNAが紫外線によって破壊されてしまうと、細胞が死んでしまったり、変異してがん化したりする危険があるからです。
メラニンはこうして紫外線をブロックする傘の役割をしたり、肌の中で起こるトラブルからDNAを守る働きをしたりする防御物質です。
メラノサイト刺激物質とは
メラノサイトにメラニンを作らせるメラノサイト刺激物質は、発生しやすい原因がいくつかあります。
まずは前述の通り紫外線ですが、紫外線が細胞のDNAを傷つけるのを防ぐために、メラノサイト刺激物質が活性化します。
ただ、紫外線がなくなった時点でメラニンは作られなくなり、作られた色素も皮膚の新陳代謝と共に消えて無くなり元の肌に戻るのが正常な状態。メラノサイトが暴走し、いつまでもメラニンを作り続けるとシミが出来てしまいます。
肌の内部に活性酸素が発生すると、活性酸素の攻撃から細胞を守るためにメラノサイト刺激ホルモンが分泌されます。体内の活性酸素量が多いとこのホルモンが分泌され、メラニンが作られ続けることでシミとなります。
活性酸素が発生する原因は紫外線A波や有害な大気、電磁波など環境によるものもあれば、喫煙や食品、飲酒などの摂取物、ストレスや激しい運動、睡眠不足などの生活環境もありますので注意が必要ですね。
また、皮膚に炎症が発生すると、失われる細胞を補修する動きが活発化し、それと一緒にメラノサイトも活性化するため色素沈着が起こる特徴があります。
炎症が起こる原因は日焼けや摩擦などの刺激、虫刺されや外傷などの外的要因、湿疹やニキビ、女性ホルモンの乱れなどの内的要因があります。
肌で起こる炎症には大小あり、内部で起こっている炎症は見た目には分からないので自分では原因のわからないシミになりがちです。
つまりシミができやすくなるヤバいやつは・・・
紫外線
紫外線が細胞のDNAを傷つけるのを防ぐために、メラノサイト刺激物質が活性化しちゃうから紫外線対策は超重要という事ね。なるべく紫外線を浴びてはいけない。
活性酸素
これまた紫外線A波で活性酸素が増えちゃう・・・さらに有害な大気、電磁波など環境によっても活性酸素は溜まり、喫煙や食品や飲酒などの摂取物もヤバイ。さらにストレスや激しい運動や睡眠不足などの生活環境でも活性酸素はたまりまくる
皮膚の炎症
皮膚の炎症もシミの原因になってしまう。外的要因としては日焼け・摩擦などの刺激、虫刺されや外傷。内的要因としては湿疹やニキビや女性ホルモンの乱れなど
メラノサイト君は体を守るために必要でメラニン君を作っちゃうもの。
だけど
メラノサイト君が暴走するとメラニン君を大量に作り続けちゃう。
でも
ターンオーバー君が頑張るとシミはできない。
だけどターンオーバー君が弱いと
メラニン君が蓄積されてシミに。
紫外線対策や活性酸素対策がしっかりしていればメラノサイト君が活性化されすぎないからメラニン君を大量に作り続けちゃうこともないし、ターンオーバーがしっかりしていれば多少メラノサイト君が暴走しても大丈夫というわけですね。
皮膚のターンオーバーの乱れがシミを作る
メラニンが作られるのは必要な反応ですが、出来た色素を排除するのもまた必要な反応です。
肌の中で色素が還元され無色透明に戻る働きもありますし、表皮が基底層から分裂して徐々に押し上げられ、古い角質となって剥がれ落ちることで肌から出ていくターンオーバーもあります。
加齢によってシミが発生しやすくなる原因は、こうした色素を排除する働きが全体的に低下することです。
年を取ることで色素を排除する力が低下する。20歳のターンオーバーが約28日サイクルだとすると、加齢によってどんどん長くなり、60日や90日といったサイクルになることで色素が排除されるまでの時間が伸びてしまうことでシミが残りやすくなるのです。
また、長い年月強い紫外線を浴び続ける環境にいると、メラノサイト自体の数が増えます。
当然メラニン生成が活発化するので、色素が残りやすい上に排除しにくくメラニンが滞留しやすいのです。メラニンは決して悪者ではありませんが、役目を終えていつまでも排出されないのも問題ですよね。